全国ホープス熊本県予選 期日:6月27日(土) 場所:熊本市総合体育館 |
小学生クラブチームの日本一を決める『全国ホープス』の熊本県予選が行われ、男子は6年連続、女子は3年ぶり2度目の出場を目指した。 本大会では2連覇を達成した男子チームは、主力であった硴塚と宮﨑が抜け今年は大幅な戦力ダウン。試合前の予想では大石卓球が強敵であり負ける可能性が非常に高かった。自分の予想と反してこの1年で大石卓球の選手が強くなっていた。真っ向勝負をしたところでたぶん土俵の外へ投げ飛ばされてしまう。どうしたら勝てるのか?日本一になった時よりも苦しい状況であり、久しぶりに悩んだ。確実に勝てる組み合わせが見当たらない。井上をエースとしても確実に2ポイントを取る保証がない。竜巳にしても相手の1、2番手に対して分が悪い。ダブルスはやってみないとわからない・・・考えれば考えるほど勝てる要素がなく気持ちが落ち込んでゆく・・・「2連覇したんだから今年は出なくてもいいだろう。この辺でひと休みしてもいい頃だろうな」などと開き直ったことを考えた。しかし、最終的に「やっぱり勝ちたい!なんとしてでもここで負けるわけにはいかない!勝つ可能性がゼロでなければ勝つチャンスは必ずくる!生徒たちを東京に連れて行きたい!」という考えとなった。 オーダーは2か月前くらいに決めていたが、最終的に決断したのは試合の2日前。生徒には大会前日にオーダーを伝えた。当初考えていたオーダーではいい勝負はしても勝てないと判断。対大石戦のみオーダーを変えることにした。大石戦までは井上をエース使いとして大石戦のみ竜巳をエースとして使いラストを井上とした。勝負所はダブルス。ダブルスが勝てばラストの井上で勝負できると考えた。 両チームともに取りこぼしもなく全勝対決となった。オーダーはばっちり。まずは第一関門を突破。大石ベンチから「井上がラストになってるよ。竜巳が2回出てる。」という明らかに予想とは違うオーダーに動揺している声が聞こえる。チャンス到来。小学生はすぐに動揺する。自分がやると思っていた相手が違うと心の整理や作戦の組み立てがすぐにはできない。要するに「無計画」「無作戦」で試合を行うことになる。こちらは予定通り。やる相手は最初から決まっており、しっかり作戦を立てている。この差は大きい。またまたチャンス到来。前半は1対1で星を分け、次は勝負のダブルス。勝つどころかストレート負け。雲行きが怪しくなる。4番は竜巳。もはやこれまでか・・・と思いきや1セット目を取る。「あれ?なんとかなるのかな?」と思った瞬間に頭の中で戦術が次々と湧き出てくる。こんなに頭が冴えたのは久しぶりだ。勝負は最終セットまでもつれ込んだが負ける気はしなかった。竜巳が何とか勝ちラストの井上へバトンを渡すことができた。しかし、ラストではあるがエース同士の対決。1セット目を3本で落としたが2セット目を取り返しセットカウント1対1。次はお互いに大事な3セット目。このセットを取ってリーチをかけたい。しかし、スタートでつまづき3対8でリードされる。このセットは乙であろうと思い次の4セット目をどう戦わせるか考えることにした。しかし相手の得点が8点から動かない。何と8本連続得点をして逆転勝ち。4セット目はもう作戦はいらない。流れがこちらにきている時は余計なことは言わない。「その調子でいいぞ!どんどん強気で行け!勝てるぞ!」とただこれだけのアドバイス。4セット目は相手が逆転負けをしたことから立ち直ることができず圧勝。6年連続の出場と大会3連覇を目指すことが叶った。本当に厳しい戦いであった。何度も倒れそうになっても立ち上がり、相手に向かっていく姿に自分の生徒ながら大したものだと感心する。8月の全国ホープスはどこまで勝てるかわからないが、負けるまでは「3連覇を目指しますよ」と言うつもり。
◆男子 1位 城山ひのくにジュニア(6年連続) 2位 大石卓球 3位 ヒゴ鏡卓球 4位 ひのくにJC
◆女子 1位 ヒゴ鏡卓球(3年連続) 2位 大石卓球 3位 城山ひのくにジュニア 4位 八代本野町クラブ |